2006年10月 3日 (火)

あるきかたがただしくない

 歌人、枡野浩一氏のエッセイ集「あるきかたがただしくない」は本人も呆れる位、何処から読んでも氏の離婚問題を語る金太郎飴本です。
読み始めると、くどくて食傷気味になるんですが、さらに読み進めると、離婚問題を扱っていない場合は逆に物足りない気分になったりするんです。
特に枡野氏の子供に対する執念もとい愛情には感服してしまいます。
例えば、氏は漫画家である元妻に子供に合わせてくださいとの主旨の手紙を書き綴るのですが、元妻は子供と共に消息不明のため、手紙は送ることも渡すこともできずに結果儘を雑誌に掲載します。
その真摯な直向さは、くどさを通り越し、呆れ、挙句感動を覚えるのです。
 その姿勢は、たとえ歩き方が正しくなくても、とにかく歩けば前には進んで明るい未来が開けるじゃないかと。

 そんな矢先の先週、知り合いが主催する飲み会に参加しました。男女15人ずつのあわよくば出会いもあるぞみたいな飲み会です。
 飲み会が始まっても私の前の席だけが空席でありまして、どうやら仕事が押して遅れている女性がいる模様。
暫くしてその女性は慌しく登場し着席するのですが、なんと彼女は以前に少しばかり付き合っていた方でした。私もビックリしましたが、きっと彼女もそうであったでしょう。その後の彼女は更に慌しく、携帯を持ちながら席を外したり戻ってきたりで、約15分後「仕事が入った」とか言って退席してしまいました。ホントに仕事だったのか、私と再会することで面食らって若しくは嫌な気分で帰ってしまったのかは分かりません。
 私は勿論他の人にそんな話はできませんから、努めて平静を保ち、お酒を飲み、適当に会話をしながらもずっと彼女のことを考え宴会を過ごしました。そして帰宅したのは13時と遅く、かなり酔っ払っていました。しかし、私はPCに向かい、なにも話せなかった彼女に言葉を綴りました。
 緊張しながらも酔っ払った勢いで書いた文章を送信し、床に就こうと思っていたら、すぐにメールを受信。私は不明なアドレスに送信を送ってしまったようで・・・、つまり彼女のアドレスは既に変更されていたのです。

 この日記を彼女が見る事は万が一でもないでしょうが、氏に習い、私もこのメールを日記に載せる事にしました。

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 本当にお久しぶりです。メールしようか否か、Aさんが帰ってからずっと悩んでいましたが、私は幾つか伝えたいことがありましたので、迷惑かもしれませんが書き綴ってます。
まず、折角の飲み会に私が目の前にいたことを偶然ではありながらお詫びします。
その時、私の思ったことを一方的に話させてもらいますと・・・、まずAさんが元気そうであったこと、相変わらず綺麗で素敵であったことを改めて認識しました。なので、私としては一方的に貴方の元気な御身体を拝見しただけで何か気分が良く嬉しかったです。
私はあの時以来特定の女性と付き合うことなく時が経ってしまいました。Aさんは相変わらず抜群でした。これは未練とかそういうものではなくて素直に今でもそう思ったのです。
好きだった人はずっと好きで、以降、その人と交わることがなくてもその気持ちは変わりません。
なので、私は、これからも貴方が元気で楽しく毎日を過ごすということを祈念してやみません。
そして私もそうありたいと思いながら毎日を暮らしているのです。

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 夜深し 酔いが回って 勢いで綴るメールは 未練じゃないよ

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2006年5月26日 (金)

幸せの確信~Happy Family

18階のチャペルは正面に金色の大きな十字架があしらわれ厳粛な時を待っている。
当然そのロケーションは抜群で窓からは港が一望でき、まさに人生の船出に相応しい場所といったところ。
程なく、セルの眼鏡をかけ髭を蓄えた外国人の牧師が入場してきた。
多少の皺と髪の毛は若干の白髪が認められる。
それなりの説得力のある姿である。
そうか、禿げてなくても白髪であればいいのか、と納得すると同時に、先程エレベーターであった男は牧師ではなかったことに、私の持つ牧師のイメージが覆らなかったことに安心した。

その後、式は新郎の入場から始まり、新婦と父親と続く。
賛美歌の斉唱では新婦側参列者の方から明らかに尋常でない声量が感じられる。
相当歌いなれている人間がいるようだ。
それにしても主役の新婦は、丁度窓より降り注ぐ光が後光となり純白のドレスがさらに眩しい。
こういうことを綺麗というのだろう。

夫婦の宣誓で彼女は抜群の滑舌の良さで私を驚かせた。
牧師はおそらくもっと上手に日本語が話せるくせに、より雰囲気を出すために怪しい日本語を繰り出す。それを反復する彼女の宣誓は余計それを際出させる。通訳しているとも感じられる。
きっと旦那は尻に敷かれるんだろうな、等と勝手に想像し確信した。

新郎が私を招待した理由は高校時代の友人で一番最後にあったのが私であるとのこと。
そしてその時いっしょに飲んでいたクラスは違うけど仲が良い神田も同時に招待された。

つつがなく式が終了し、山下公園の新緑が間近に見ることができる2階のラウンジにてカンパリソーダーで口を潤す。
神田はシェリー酒を飲んでいる。

そういえば、こういうサービスって一杯いくらで請求されたな。
しかし、ウイスキーだけは違って水割り一杯飲んでもウイスキーを一本開けることになるのでそれなりのお金がかかったんだっけ。
会計時に分かったことは(水割りなんか頼まなければいいのに)、一人だけオーダーした奴がいて、あとで確認したら義理で呼んだ(義理で来てもらったとも言える)ケチな上司だったので頭きた、なんてことがあったけど、ここのシステムはどうなっているのだろうと思いつつ、そのことは話題にはしないで、初めて観た新婦のこと、式場のこと、近況などを神田と雑談した。話していると昔の記憶が蘇ってくるもんだ・・・。

そういえば神田は新郎の妹に気をかけていたよね、いっしょに釣りで琵琶湖行った時お土産買ってたけど、あれ渡したの?
渡せなかった、とか思い出話もしてみたり。
でも、式ではその妹が誰だか分からなかったよな。もう20年も経てば分からんよ。
じゃあ、さっき受付で貰った(席次が記載された)式次第で出席者の確認すればいいじゃん、って提案し、早速確認してみたけど、同姓が沢山入るから分からなかった。

お、そろそろ披露宴が始まるぞ。

ベルトコンベアーが再び回り始める前にトイレいっておこう。

Happy Family  XTCの隠れた名曲。映画「結婚の条件」のサントラに収録。他、ケイトブッシュ、ブライアンフェリーなど参加。サントラの中では屈指のお気に入り

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2006年5月23日 (火)

幸せの予感~with a little luck

高校時代の同級生の結婚式に招待されたので、久しぶりに正装して家を出たのだが、田舎な地元ではとんでもなく浮いているカッコウで、あれ?っていう感じ。

しかし、元町・中華街駅を下車すると、観光客に混じって同様な方がチラホラと。ああ、浮いてないな、安心。
同時に今日は式日和なんだなぁとも思う。

会場のホテルニューグランドと言えば、私も見に来たことあった。やっぱり老舗での式なんて憧れだもん。一生に一回のことだもん。
殆ど冷やかしのつもりだったけど、値段聞いて、ほんとに冷やかしになってしまい、お土産のクッキーだけもらって帰ったのはもう十年以上も前の話だよな。
今なら、結婚は一生に二回はしたいな。
でも、三回はしたくない。
いや、一回でいいか。
いやいや、それも違うな。
自分だけでは決めれないか。

新館タワーにあるチャペルに向かうためのエレベータに乗ると、私より若い、けれども独特な格好の方が同乗してきた。
この人も私と同じ式に出席するんだろうな。
いや、もしかして神父さんなのだろうか。

ところで神父さんって何歳からなれるのだろう。
例えば神学校卒業して、すぐにデビューとかできるのかな。
でも、やっぱり神父さんとかお坊さんの説教は年齢を重ねていた方が説得力でるよな、年齢というか見た目が重要だよ。
髭とか皺とかそしてやっぱり禿げてたりしてた方がいいよな。
苦労しているって感じがするもんね。なので体型は太目はダメだよ、絶対痩せてなくちゃ。
神に仕える身は、生活はけっして豪華であってはいけないもんな。
たとえ豪華な暮らしであっても、それを体型に出してはいけないし、不健康ではないけど何か疲れた感じも醸し出さなくてはいけないよね。

そういえば、神父と牧師ってどこが違うのだろう。
結婚式の場合、神父さんだと新婦と被って何かトラブルの原因になるかもしれないから牧師さんって言った方がいいかもしれないな、等と独りで考え事をしていたら、程なくチャペルがある18階に到着。

扉が開いたので、「開」のボタンを押しながら、その彼にお先にどうぞって仕草をしたのだが、彼も奥から無言でお先にどうぞって仕草を返します。
その仕草があまりに屈強な意思を感じられたので、本来なら私も屈強返しなんだけど、牧師さんであれば仕方ないな、と思いながら先降りした次第。

会場では既に前の組の式が終了したようで、フラワーシャワーを行っている。
昔読んだ、たしか村上春樹の「日出(いずる)国の工場」で結婚式場を取り上げていたんだけど、たしかにベルトコンベアー式に次々に式、披露宴が行われる様は正に工場そのものであるな、と感心しながらその光景を眺めていた。

そろそろ、友がベルトに乗る番だ。
いや、すでに乗ってるか。

幸せと共に。

そんな予感。


幸せの予感~with a little luck
ポール・マッカートニー率いるウイングスの佳曲

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