あるきかたがただしくない
歌人、枡野浩一氏のエッセイ集「あるきかたがただしくない」は本人も呆れる位、何処から読んでも氏の離婚問題を語る金太郎飴本です。
読み始めると、くどくて食傷気味になるんですが、さらに読み進めると、離婚問題を扱っていない場合は逆に物足りない気分になったりするんです。
特に枡野氏の子供に対する執念もとい愛情には感服してしまいます。
例えば、氏は漫画家である元妻に子供に合わせてくださいとの主旨の手紙を書き綴るのですが、元妻は子供と共に消息不明のため、手紙は送ることも渡すこともできずに結果儘を雑誌に掲載します。
その真摯な直向さは、くどさを通り越し、呆れ、挙句感動を覚えるのです。
その姿勢は、たとえ歩き方が正しくなくても、とにかく歩けば前には進んで明るい未来が開けるじゃないかと。
そんな矢先の先週、知り合いが主催する飲み会に参加しました。男女15人ずつのあわよくば出会いもあるぞみたいな飲み会です。
飲み会が始まっても私の前の席だけが空席でありまして、どうやら仕事が押して遅れている女性がいる模様。
暫くしてその女性は慌しく登場し着席するのですが、なんと彼女は以前に少しばかり付き合っていた方でした。私もビックリしましたが、きっと彼女もそうであったでしょう。その後の彼女は更に慌しく、携帯を持ちながら席を外したり戻ってきたりで、約15分後「仕事が入った」とか言って退席してしまいました。ホントに仕事だったのか、私と再会することで面食らって若しくは嫌な気分で帰ってしまったのかは分かりません。
私は勿論他の人にそんな話はできませんから、努めて平静を保ち、お酒を飲み、適当に会話をしながらもずっと彼女のことを考え宴会を過ごしました。そして帰宅したのは13時と遅く、かなり酔っ払っていました。しかし、私はPCに向かい、なにも話せなかった彼女に言葉を綴りました。
緊張しながらも酔っ払った勢いで書いた文章を送信し、床に就こうと思っていたら、すぐにメールを受信。私は不明なアドレスに送信を送ってしまったようで・・・、つまり彼女のアドレスは既に変更されていたのです。
この日記を彼女が見る事は万が一でもないでしょうが、氏に習い、私もこのメールを日記に載せる事にしました。
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本当にお久しぶりです。メールしようか否か、Aさんが帰ってからずっと悩んでいましたが、私は幾つか伝えたいことがありましたので、迷惑かもしれませんが書き綴ってます。
まず、折角の飲み会に私が目の前にいたことを偶然ではありながらお詫びします。
その時、私の思ったことを一方的に話させてもらいますと・・・、まずAさんが元気そうであったこと、相変わらず綺麗で素敵であったことを改めて認識しました。なので、私としては一方的に貴方の元気な御身体を拝見しただけで何か気分が良く嬉しかったです。
私はあの時以来特定の女性と付き合うことなく時が経ってしまいました。Aさんは相変わらず抜群でした。これは未練とかそういうものではなくて素直に今でもそう思ったのです。
好きだった人はずっと好きで、以降、その人と交わることがなくてもその気持ちは変わりません。
なので、私は、これからも貴方が元気で楽しく毎日を過ごすということを祈念してやみません。
そして私もそうありたいと思いながら毎日を暮らしているのです。
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夜深し 酔いが回って 勢いで綴るメールは 未練じゃないよ
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